NPO法人の概要

理事長ご挨拶

昨今、医療現場における慢性的な医師、看護師不足は深刻な状況であり、特に医療過疎といわれる地域において厳しい状況が続いています。特に、看護師については、看護学校における学生の確保自体も難しくなっております。

このような状況下、厚生労働省では、平成17年に「規制改革・民間解放推進3カ年計画」を踏まえて、在留活動に制限のある在留資格を有する人にも国家試験受験資格の認定申請を行えることとしました。これにより、日本で看護師資格を取得しようとする多くの外国人に門戸が開かれました。

当NPO法人は、この規制緩和政策を踏まえ、平成17年12月に設立総会を開催し、翌平成18年6月に正式に発足して活動を開始いたしました。以来地道な活動を継続し、令和6年4月には、活動を開始して以来、延べ471名(受験総数490名)の看護師を輩出し、医療現場に送り出しました。

当NPO法人の特色は、単に、国家試験に合格した外国人看護師を医療現場に紹介することではなく、日本における「看護のこころ」を充分に理解した看護師の養成にあります。

そのため、外国における提携候補学校と充分な意見交換、相互の施設見学などを通して相互理解が成熟した時点で、当NPO法人と学校との間で提携契約を締結します。また、来日した看護師候補生には、地域住民との交流やボランティア活動を支援し、日本の文化を理解してもらうことに重点を置いています。さらに、外国人看護師の受入れ希望施設については、施設訪問、経営者・医療現場の理解度、諸制度の確認などを通し、当NPO法人の基準に合致した施設にのみ看護師を紹介する「受入施設認定基準」を定めています。

このように、外国における提携学校の発掘、来日し国家試験受験までの受験対策から生活支援、日本文化の習熟、最終的な受入れ施設の認定まで、一貫した看護師育成プログラムを整備しています。さらに、毎年、卒業生や受入れ施設との意見交換を行ない、適宜の見直しによってプログラムのブラッシュアップを図っております。

当NPO法人の卒業生の中には、既に受入れ施設で看護師長として働いている人材も出ております。日本における看護師の数と質の確保を図り、医療供給体制の充実に寄与することによって、国民の皆様が安心して医療機関を受診できる、そんな社会の実現に少しでも貢献できるよう、地道な活動を継続してまいりたいと思います。

渡辺理事長

国際看護師育英会
理事長 渡 辺 智